少子高齢化が進む中、労働力の確保が各企業にとって喫緊の課題だ。転職市場が活況だが、裏を返せば、それだけ人材の流動も激しくなっているという背景がある。しかし、退職はネガティブな理由だけでない。今回オープンワークが調査した、退職者が選ぶ「辞めたけど良い会社ランキング」を基に、外資系・日系の退職に対する文化や考え方に違いについて分析する。(ダイヤモンド・ライフ編集部)
「転職者」は「退職者」
退職後の円満な関係が重要
近年、転職者数が増加しつつある。企業の中途採用比率が過去最高の37.6%となり、転職市場は活況だといえよう。終身雇用が終わりを迎えつつある中、生産年齢人口の減少といった変化も生じており、労働力確保という企業課題を解決すべく中途採用活動は今後も活況が続くと予測される。
転職者は言い換えれば、どこかの企業にとっての「退職者」だ。「転職をする=今の会社を退職する」人が今後ますます増えていくことが予測できるからこそ、企業経営において「社員はいつか退職をする」という前提で、人材の定着・育成支援の他、退職を決めた後の円満な関係性を構築する重要性が高まっていくのではないだろうか。
就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク株式会社は、OpenWorkに投稿された社員クチコミのうち「退職者」による評価に着目し、退職者からの評価が高い企業を集計した。日本と比べて転職が一般的な外資系企業では、文化や人材育成の仕組み・制度が大きく異なると考えられることから、外資系と日系企業で分けてランキングを作成した。
退職者にとって「良い会社だった」と感じる点にはどのような特徴があるのか。また、外資系と日系企業で「退職」に対する文化や考え方に違いはあるのか。